境界の歪み

こんばんは、森川です。

次の火曜には飛行機の中。

 

今日は市内で最後の休日を過ごしました。

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夕暮れ時。

Garden of dreamsの前の交差点。

ココナッツをかじりながら、ココナッツ売りのおじさんと肩を並べ石段の上に座り、行き交う車を眺めていたその時。

 

もう帰るんやなーっていう思いが込み上げてきた。

 

この感情を言葉にできない。

 

だから少なくとも、この光景は目に焼き付けとこうと思った。

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自分は何ができたのかとか、自分は何をしてきたのかとか、振り返るのはまだ早い気がする。

少なくとも今ではないことは感覚的にわかっている。

 

その中で、ひとつ確かなのは、僕はここに故郷のような思いを抱いているということ。

それがこのような感傷的な気分を作り出す一端を担っていることは間違いない。

 

生活している中で、境目がわからなくなる瞬間がある。

ネパールのハエが飛び回るシミだらけの小汚い食堂にいるのにも関わらず、自分が日本にいる時と同じ心の状態でいることにハッとする。

どこからかクラクションの聞こえてくる緑に囲まれた穴だらけの土路を歩いている瞬間に、家にいる自分のと同じ感覚を抱いていることに気がつく。

 

日本-ネパール

この境目がわからなくなる。まるでカメラのフィルターを切り替えたみたいに。

 

もしかしたら、最初から境目なんてなかったのかもしれないし、もしかしたら、自分がここに対して19年間暮らして来た日本と同じ感情を抱くようになったのかもしれない。

もしかしたら、潜在的なホームシックが優しく急激に首をもたげて来ただけなのかもしれない。

 

ただ、この感覚は美しい。充実感を与えてくれる。不安と喜びを与えてくれる。

そして懐かしさを呼び覚ます。

 

この感覚を抱けたことは誇りに思っていいだろうと思う。

意識が混濁しているような、視界がふらつくような、そんな感覚だけど。

 

この感覚を言葉にすることはできまいか。

 

 

僕にとって、この感覚を獲得することがどれほど大事なことなのかは、とにかくはっきりしている。

 

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今日は、午前中はナラヤンヒティという宮殿跡博物館に行ってきました。

すごかった。

宮殿というだけあって本当に豪華。

すごく高そうな芸術品、すごく高そうな絨毯、そこらかしこに巨大な動物の剥製...

 

ネパールにいるとはとても思えないような、がっつり宮殿!という感じの豪華絢爛さでした。

 

中には日本の皇族の方とネパール王室の方が写っている写真があったり、日本の総理大臣の方が写真を残していたり、日本がや日本芸術の品が飾ってあったりと、日本とネパールのゆかりの深さを実感する品々も見えました。

 

ただ、宮殿ってこのようなものなのかもしれないけれど、すごいごちゃ混ぜやなあっていう印象を抱きました。ネパールの伝統、西洋的な建築、ヒンドゥー建築、東アジアの品々、堂々たるふかふかそうなベッドにブラウン管テレビ。

 

色々な面でごちゃ混ぜで、彩り豊かで、でもちゃんとひとつの空間を形成していて、そんなところもまた面白いなと思いました。

 

ちなみに、王家の家紋みたいなのが格好良かった。

ミュージアムショップがあったらきっとストラップを買っていただろうなと思うくらいに気に入った。

反対向きにした三角形を2つ重ね合わせて、真ん中には剣。

いいなあ。

 

一度は行ってみる価値があるんじゃないかと思います。

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午後は、僕のこのボランティアの受け入れ機関アイセックのネパール支部のメンバーの僕のマネージャーと食べ歩きの観光をしてきました。

 

良かった。

 

バナナラッシー、ソーセージ、ラフィンやスノーマンカフェのプリン。

大満足。

 

スノーマンカフェのプリンはマジでうまかった。

コーヒーがあれほど引き立てられる食べ物もなかなかないだろうなあ。

 

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色々とぐるぐる回って、garden of dreamsの交差点で別れました。

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人と出会うことの一番の価値って、”さよなら”が作り出されることじゃないかと思う。

 

出会いと別れ。

 

別れの方が、何倍も美しい。何倍も重たい。

 

 

明後日には、”さよなら”を告げなければならないこの日々。

 

どのように自分は去るべきだろうか。

どのような別れが自分にとって理想だろうか。

 

明日は明後日の満足のために生きよう。